今日は、チランジアの中でも人気度トップ5に入るであろう Tillandsia sprengeliana を紹介します。
チランジアの栽培を始めたのは10年以上前になりますが、当時もホームセンターではいろいろな種類のチランジアが販売されていました。(当時は今以上に種類が少なく、お決まりのラインナップでしたが・・・)
その中でも、ひときわ高額で目に付くお方が前回の投稿にも登場したキセロ様ですが、通常サイズだと高くても5000円位といったところでしょう。
ホームセンターのチランジアしか知らない当時の私は、まさかこれ以上に高額なチランジアがこの世に存在するとは夢にも思っていなかった訳です。
ところが、その殻を破ってしまうきっかけとなったのが、今では愛好家仲間の1人である某氏がヤフオクで販売していた Tillandsia sprengeliana だったのです。
キセロ様は30cmぐらいの大きさで約3000円ですが、スプレン様は3cmぐらいの大きさで8500円(初入手時の価格)。
cm(直径)当たりの価格差は約30倍で、当時、かなり驚いた記憶があります。
といいつつも結局入手してしまい、この道に深入りしてしまうこととなったのですが・・・
最初は、暑さ・寒さに弱いと思っていたので、かなり乾燥気味に管理してしました。
その結果、ハダニの襲撃に遭ってしまい、衰弱してそのままお亡くなりに・・・
その後いろいろ調べたところ Tillandsia stricta と比較的近縁であることが分かり、高湿度の管理をするようになってからは順調に生育するようになりました。(ハダニは高湿度の環境だと発生しにくいです。)
数ある「ブラジル赤花」の中では、比較的管理しやすい方の部類の植物であると思います。
初入手の株は先述した通りもうありませんが、後にそれと同じであろうタイプを入手しています。
真っ白いトリコームが他のタイプに比べて多く、サイズはやや小さめですね。
(あとで大きくなる可能性もありますが・・・)
花色も濃いようですが、我が家ではまだ未開花です。
次のタイプは、「内陸型」と呼ばれるタイプです。
やや小さめの草体で、花序のブラクトが開いたような形状をしており、まるで花序自体が花びらのようです。
我が家には開花後の状態で届き、そのまま3つ子株を出しました。
残念ながら、このタイプも我が家ではまだ未開花です。
次に、「臨海型」と呼ばれるタイプで、現在流通している株のほとんどがこのタイプであろうと思います。
内陸型に比べ、花序のブラクトが閉じた形状をしているのが特徴です。
我が家の株は、ブラジル、リオデジャネイロ州のカボ・フリオという地域の小島で採集された株の子孫です。
2011年に開花直前の状態(下写真)で届き、無事に開花したのち子株を2つ付けました。
さすがにそれから4年も経っているので、2つの子株のサイズ及び葉数は元の親株を上回っており、いつ開花してもおかしくない状態だと思います。
2つの子株の他、株元から不定芽が出ていますが、こちらの方はとてもとても成長が遅いです。
おまけですが、上の臨海型と同産地で採集された、本種と Tillandsia geminiflora の自然交配種です。
サイズは両種の中間で、株の形状は Tillandsia roseiflora に似ています。
トリコームの特徴は、T.geminiflora が勝っているような気がします。
そして、この株の悪い特徴ですが、開花してもいつも子株が1つしか出ないのです。
ですので、2012年に胴切りをしてみました。
(茎の途中で切る訳ではなく、開花済株と子株の双方が生育できる大きさを保ちつつ、子株を切り離すだけです。)
すると、目論見通り、3カ月ほどで3つの子株が出てきました。
今は知人の温室で養生中であり、もう一人立ちできる大きさまで生育しています。
殖えにくい株を殖やす方法として「胴切り」は有効なので、同じ悩みを持つ方は試してみて下さい。
最後は、たぶん臨海型であろうこの株です。
この株の出元は Alfred Blass 氏だそうです。
チランジアの愛好家として有名な方だったそうですが、亡くなったのが1983年であり、最近の愛好家はその名前さえ知らないと思います。
話は脱線しますが、国際ブロメリア協会の会報に Tillandsia rosea(今の Tillandsia carminea)とTillandaia brachyphylla(今の Tillandsia roseiflora)の記事を書いた方です。
この記事が Tillandaia brachyphylla に関する混乱の元になった訳ですが、まだインターネットも普及していない時代に書籍ベースで知識を収集し、これだけの文章を書く努力は並大抵のことではなかったと思います。
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