5/05/2014

Tillandsia argentina

Tillandsia argentina です。
あまり見かける機会がないのですが、特にレアという訳でもなく、容易に入手することが出来ます。
つまり、あまり人気がない、ということなのでしょう。
しかし、本種及びその近縁種の持つ魅力を私は感じています。
おそらく、「アルゼンチン・ボリビア赤花」の書籍が出れば即ブレーク、なんてこともありえるのではないでしょうか・・・

今日は、その中でも最もメジャーな本種の開花です。
















(ピンぼけすみません・・・)
昨秋に同じ株が開花しており、本種の開花条件は不明です。
おそらく、春か秋なのでしょうが・・・
あと、ディアフォランテマ亜属と見間違えそうな本種の小型フォームを導入しているので、そちらにも開花してもらいたいですね。

あと、Tillandsia tenebra の初開花を無事に迎えました。















5/01/2014

Tillandsia cotagaitensis

Tillandsia cotagaitensis が開花しました。
毎年、大体この時期に開花していると思います。
















本種の花弁は、薄茶色の長い花弁が3枚です。
なお、ほんのわずかですが芳香もあります。
















本種を入手したのはだいぶ前のことです。
栽培は非常に容易なのですが、なかなか殖えてくれない筆頭でした。
ですので無理やり胴切り(?)をし、その結果、どうにか8株にまで殖えてくれました。
今では十分に成長し株の長さもあるので、再度胴切りをやるか検討中です。
(需要がほとんどないので、あまり大量に殖やしても仕方ない・・・)

我が家の株は、当然ながらタイプローカリティ産です。
しかし、他産地の本種を見たことはないのは気のせいでしょうか?
いずれにせよ、ディアフォランテマ亜属の中でもかなりマニア度の高い種だと思います。

4/05/2014

Tillandsia tenebra

ディアフォランテマ亜属の中で、最も好きな植物が T.tenebra です。
以前は非常に入手ルートが限られた植物でしたが、最近はだいぶ入手容易になりました。
茶花(実際は黄花や紫花も存在します。)で肉厚小型で、多肉好きの方にウケる植物だと思います。
また、栽培に関しても Tillandsia hirta のような気難しさもないので、この上なく栽培容易です。
私も本種を何十株も育てていますが、1株も枯れることがない優良児ですので、 育てたことのない方は是非育ててみて下さい。
私は数年前からこの植物が好きで、いろんなタイプ違いの本種を栽培中なので、今日はその一部を紹介したいと思います。

1 M氏ベストクローン
















この株は、国内愛好家のM氏から入手した株です。
本人が言うに「ベストクローン」とのことで、当時の流通株に比べるとかなり肉厚な葉が魅力的でした。(株だけでなく、値段もベストだったのですが・・・)
2008年頃(正確な時期は失念)に入手した時は3~4枚ほどの葉しかなかったのですが、今では2頭のクランプにまで成長しました。
ちなみに、そのうち1頭が開花準備中です。


2 タイプローカリティ産
















本種の完模式標本の採集者番号は「HR7275」ですが、それと同番号を持つ株です。
本種の記載者の1人である Lieselotte Hromadnik 氏本人による採集株からの子孫であり、最も本種のオリジナルに近いフォームであると言えるでしょう。
特徴としては、毎回、1本の花茎に3~4つの花を同時に咲かせる点です。

















花の色も濃く、一見こげ茶に見える花も光を透かして見ると実は紫色です。
(ただし、同番号の全てのクローンが紫花という訳ではありません。)
ちなみに、他のクローンに比べて殖えにくい(開花株1株に1つの子株)点も、特徴の1つだったりします。


3 長葉フォーム
















Tillandsia caliginosa のような長い葉を持っていますが、花と葉の質感は T.tenebra そのものです。
採集者はウィーン大学の Walter Till 博士(本種記載者の1人)であり、ご本人の同定済なので本種で間違いないと思います。
現在、このフォームが1株開花準備中だったりします。


4 直葉フォーム
















まっすぐな長い葉が特徴のフォームです。
1花茎にだいたい1~2つの花しか咲きませんが、花色に個体差が見られます。
茶色の斑が入った黄花フォームは持っていますが、完全な黄花フォームを探してみたいです。


5  ホワイトフォーム
















白いトリコーム(そんなに濃くはない)で覆われたホワイトフォームです。
この株も W.Till 博士による採集株で、他のフォームに比べて群生しやすい感があります。


6  くるりんフォーム
















長い葉がくるりんとカールするフォームです。
本種の分布域の南端付近で採集されたフォームで、群生させると面白そうな気がします。


7 厚葉フォーム
















1のM氏ベストクローンのように厚めの葉が特徴ですが、葉が短めでまっすぐなので非常に見応えがあります。
個人的には本フォームをマイ・ベストクローンとしたいのですが、開花を見ていないので今のところはマイ・ベストクローン(暫定)としておきます。
これで、タイプローカリティ産のような開花を見せてくれればベストクローン確定です。


8 普通フォーム
















最も普通っぽくて、Tillandsia gilliesii に似た姿をしています。
普通っぽいと書いた割には、実はこの1株しか持っていませんが・・・

長々と書きましたが、まだまだ本種の収集は続きそうですね。

※おことわり: フォーム名は、私による勝手な命名です。

4/04/2014

Tillandsia bulbosa

この植物は、私が初めて購入したチランジアです。
当時は栽培方法に関してあまり知識がない上で購入したので、1年もしないうちに枯れてしまった記憶があります。
しかしその際、他にどのような種類のチランジアがあるのか気になったのでネットで色々調べたりしました。
それでチランジアへの興味が湧いた訳ですので、私にチランジアを育てるきっかけを与えてくれた植物であると言えるでしょう。

この植物は、タマネギ状の基部からタコの足のような葉がいくつも伸び、とても植物とは思えない風貌をしています。
















その見かけのみならず、安価で入手しやすい上に比較的育てやすいこともあり、普及種の中ではトップクラスの人気を誇るチランジアであると思います。
チランジアを育てている方のうち、この植物を持っていない方は非常に稀だと思いますが、もしお持ちでなければこの植物を是非コレクションに加えてみて下さい。

写真左の植物は100均の出身で、約1年前から栽培しています。
基部の大きさは劇的には大きくなっていませんが、葉が3~4枚増えました。
開花まではあと2~3年はかかりそうな気がします。

写真右は、Tillandsia bulbosa f. alba です。
本品種は、日本ブロメリア協会の会長である滝沢弘之氏(とその友人)によってコスタリカで採集され、じ後、ご本人が新品種として記載しました。
写真の植物は、記載者本人による繁殖株を入手したものです。
2007年8月に入手したので、なんだかんだ言って6年以上も栽培していることになります。
その間に殖えたりもしたのですが、知人に分譲したりして今手元に2株のみ残しています。
両者の違いとしては、通常の T.bulbosa は紫色の花が咲くところ、この品種は白色の花を咲かせるという点です。

4/01/2014

今年1発目の輸入

4月になり、国内の気候も本格的に暖かくなってきましたね。
そして、私の主な取引先であるEU諸国においても雪が溶け始め、もうじき発送可能な時期に入ります。

今年の輸入1発目は、いつもメールをやりとりしている某愛好家から余剰株を入手する機会に恵まれました。
ちなみに、この愛好家との取引は初の試みです。
ですので、他の愛好家や業者から入手できない植物がやって来ることを期待しています。

ちなみに、今回の品目はディアフォランテマ亜属が8割を占めます。
今回が初お目見えとなる種はひとつもありませんが、産地違い・タイプ違いを追求している私にとっては、コレクションが充実することに喜びを感じる次第です。
第3者から見ると「つまらん草」にしか見えない同亜属ですが、マニアにとってたまらない魅力と無限の可能性を秘めた植物たちだと思います。

3/22/2014

Tillandsia kautskyi 開花準備

Tillandsia kautskyi が開花準備中です。

















開花済で小さな子株が2つ出ている状態でお迎えしたのですが、2年間養生してようやく開花を迎えました。
現在は無加温なので花序の成長が遅いですが、もう1週間も経てば開花が始まると思われます。

この株は、タイプ産地よりも約30~40km北の地域で採集された個体で、他産地の株と比べて葉が開くのが特徴です。
他にも同産地の株を数株育てていますが、いずれの株も同じ特徴が出ているので、共通の特徴と考えて間違いないでしょう。

3/16/2014

Tillandsia roseiflora

この植物は、ブラジル赤花の中でも、最近入手困難になってきた植物の1つです。
以前はもっと軽易に入手できた感がありますが、同時に苦手な植物の1つでもありました。
よって、苦手感を克服できた頃には、同時に入手困難になっていた訳です。
ですので、私も最近までこの植物を持っていませんでした。

写真の植物は Tillandsia brachyphylla の記事を書いた後に入手したものです。
















見た感じでは、Tillandsia heubergeri によく似ています。
見た目の区別は難しいのですが、よく比較してみると T.roseiflora の方がトリコームの密度がより高く葉が白めに見える感があります。

T.roseiflora は葉が開く感がありますが、これは比較要因になりません。
なぜならば、T.heubergeri については個体差があり、葉が開くクローンも存在するからです。
よって、両種とも持っていない方が正確に同定するのは難しいかもしれません。

しかし、開花すれば話は別です。
T.heubergeri は花苞の表面がざらざらしたトリコームで覆われているため、開花さえしてくれれば同定容易です。

以前は苦手、とありましたが、ブログ等で「寒さに弱く、芯が腐りやすい」という情報を得ていました。
芯が腐るのは決まって冬季だったのですが、「冬は暖房がよく効く部屋に置き、水はやや少なめ」という管理をしていたのが良くなかったと、今では分析しています。
健康な植物に水を遣って芯が腐ることは、水遣り方法に問題ある場合を除いてほぼあり得ません。
ですので、冬に本種を腐らせた直接的な原因は「光量不足及び過乾燥」であると考えました。
(冬に Tillandsia gardneri を腐らせるパターンも、ほぼ同じ原因だと思われます。)
長きにわたる誤った管理で弱った(=植物としては既に死んでいる状態だが、一見、生きているように見えるだけ)株に水を遣ることによって、芯が一気に腐るという訳です。

その問題を解消するため、まず置き場所を変えました。
室内であることは変わりませんが、無暖房の部屋の窓際に置くようにしました。
無暖房なので時々室温が10度を切ることもありますが、ブラジル赤花たちはその程度の低温であれば全く問題ありません。
そして、無暖房なので、暖房による極度の乾燥を抑えることができます。
乾燥するとハダニが発生することもありますが、無暖房の部屋はそれほど乾燥しないのでハダニ発生の心配はほぼありません。

また、窓際なので、ほどよい量の太陽光が直接入ってきます。
室内照明の光は、ブラジル赤花の生育に関して言うと明らかに光量不足です。
経験上、Tillandsia sprengeliana のような丈夫な種だと光量不足にも耐えてくれるかもしれませんが、T.roseiflora や T.gardneri の場合は耐えられない可能性が高くなります。

あと、水遣りは、普通のチランジアと比べてやや多めです。
「腐りやすい」と聞いて水遣りを控えるのは初心者であり、本来は別の原因を探す必要があります。
その原因さえ探し出せれば、本来水好きの本種への水遣りを控え、無駄に衰弱させてしまうような失敗はなくなるはずです。
ちなみに、通風は、暑くない限りそれほど気にすることはないと思います。 

2/28/2014

採集者番号と標本番号について

植物を入手する際、採集者番号(≠標本番号)付きの植物を入手することがあると思います。
例えば、EM041104、HR7162、WT183 といった感じの番号です。
ちなみに、この番号だけで植物名が分かる方がいれば、かなり熱心な愛好家であると言えるでしょう。

そもそも採集者番号とは、研究者が自分の採集した植物をナンバリングし、その番号にフィールドデータを関連づけることによって、それらの情報を管理しやすくするためのものです。
そして、新種を記載する際の論文(通常、「記載論文」と呼ばれる。)には、完模式標本の採集者番号とフィールドデータを記載するように定められています。
(ただし、その定めがなかった頃の記載論文には、記載がないこともある。)
実際、現存する完模式標本の多くに、採集者番号が付属しています。

これに対して、標本番号とは、作成した標本に付けられる番号です。
例えば、同一採集番号の植物から複数の標本を作製した場合、同一クローン・別クローンに関わらず、全て別々の標本番号が付けられます。
これは標本に対して付けられる番号なので、生きた植物に標本番号が付けられて出回ることは絶対にあり得ません。

ヤフオク等で植物を販売する際、採集者番号と標本番号を混同している方がいます。
(最近、そういう方はあまり見かけなくなりましたが・・・)
そのような方と取引しても実害はないとは思うのですが、その植物が殖えた時に余剰分を分譲する時は、正しい知識に基づく取引に努めた方がよいでしょう。
採集者番号さえはっきりしていれば、詳細なフィールドデータを失念しても、論文等から割り出すことが可能な場合もあります。

2/21/2014

Tillandsia brachyphylla

本ブログの投稿1発目は、長年混乱を招いていたこの植物を取り上げたいと思います。

この植物は、長年、Tillandsia roseiflora と思われる植物と混同されてきました。
おそらく今でも、混同している方はたくさんいると思われます。

しかし、実物を見てみると、T.roseiflora とは全く違う植物であることが分かります。
(写真は入手当時(H21.9.18)の写真)
















最も大きな相違点は、葉の質感です。
T.roseiflora の葉は薄っぺらですが、T.brachyphylla の葉は多肉質であまり曲げると折れます。
言葉で説明しても分かりづらいと思いますが、実物を見ればはっきりと分かるでしょう。
開花時の特徴もかなりはっきりとした相違があるはずですが、実物の開花を見たことがないので説明は控えさせて頂きます。

また、1974年の国際ブロメリア協会の会報(No.2)の表紙に、Tillandsia sucrei の写真が載っておりますが、これは明らかに T.brachyphylla であると思われます。
(古い会報は協会のHPで公開されており、誰でも閲覧可能です。)
T.sucrei については、国内の愛好家の間でも認知度が高いと思いますので、今更説明する必要はないでしょう。




















これは、現在(H26.2.21時点)の写真です。
葉数が増えて、ボリュームアップしているのが分かると思います。
しかし、いつ開花するのかは全く分かりません。
性質は、Tillandsia sprengeliana とほぼ同様で、酷暑、酷寒、過乾燥に気をつければ栽培容易です。

1/31/2014