10/17/2015

オンリーワン

もう10年以上チランジアを栽培していますが、時々、滅多にお目にかかれない掘り出し物に当たることがあります。
この中でも、「今回のこの植物を枯らしてしまうと2度目はない。」ような植物に、かつて何度か出会っています。
そのうち、今日は2つを紹介します。

この植物は、かつて T.yuncharaensis の白花(本来の T.yuncharaensis は青花です。)を数株入手した際に紛れていたもので、本ブログのプロフィール画面にも使っているお気に入りの植物です。
この植物はたまたま紛れていたものですので、当然、今後入手することはできません。




















株の姿は明らかに T.yuncharaensis なのですが、そもそも注文した白花でないし、花弁も T.yuncharaensis というよりは T.xiphioides ssp.xiphioides var.tafiensis に近いですね。
そして、決定的なのがその花序の太さです。

ではこの植物は何なんだ?ってことになり、いろんな人に聞いてみましたが、結局分かりませんでした。
そのうち、話の流れで開花後の花序をウイーン大学の W.Till博士に送ってくれ、ということになり、同定の依頼を兼ねてその話に乗ってみることにしました。
その結論は結局出なかったのですが、「花序の形状が T.cardenasii に近く、T.yuncharaensis (白花)の産地にも T.cardenasii が自生していることから、それらのハイブリッドの可能性が高い。」ということになりました。

結論はともかく、我が家ではこれをベストクローンとして維持していくつもりです。
しかし、毎年の開花は到底望めないうえ、本クローンは T.xiphioides ssp.xiphioides var.tafiensis と比較しても開花時期が圧倒的に短いという特徴があります。
開花の翌日には花弁が萎れるので、全花弁同時開花で見ごたえがある反面、約1日の開花時期を見逃すと次の開花まで数年間待たされることになるのです。

次の植物は、これです。




















これは、T.Aristocrat という名前の園芸品種(交配種)で、T.ionantha と T.bourgaei の交配種となります。
かつて2006年の国際ブロメリア協会の会合(私は参加していません)に登場し、写真を見ただけの私でも非常にインパクトが強かったのを覚えています。
この園芸品種の作出者である J.Arden 氏の知人からたまたま譲っていただく機会があったのですが、1株のみの入手であり、かつ、その方ともう連絡が取れないこともあって、もう入手できないと思います。

この園芸品種に限らないことですが、園芸品種として登録された植物(有名どころで、T.Curly Slim)と同じ組み合わせで交配・実生した海外農場産の植物が、園芸品種と同じ名前で出回っています。
海外の農場で実生から栽培するので大量生産が可能ですが、当然、性質はバラバラになります。
園芸品種は大量の実生の中から素晴らしい性質を持つクローンを厳選して品種登録しているはずですので、海外農場で大量生産した植物がその園芸品種に敵うことはほとんどありません。
(その園芸品種を凌ぐクローンが出る可能性も否定はできませんが・・・)
そして何よりも、その園芸品種と同じ名前で大量生産した植物を売りさばくのは、園芸品種の作出者に対して失礼であると、個人的には考えています。

上記の事実を鑑み、数年後には「T.Aristocrat」の名前の交配種が大量に出回ることが予想されます。
でも、その植物を T.Aristocrat として認めたくないし、導入するつもりもありません。

上の写真は入手当時のものであり、緑葉種である T.bourgaei のように水好きなのでは、と考え、ミズゴケ植えにしていました。
しかし、全然発根している感じがしないので、今年、思い切って空の素焼き鉢の中にポン置きしてみました。

























旺盛とまではいきませんが、ポン置きしてから3カ月でそこそこ発根してきたので、しばらくはこのまま管理したいと思います。
性質は、寒暖にもよく耐え、非常に強靭です。

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